すね肉はかたい?気になる食感とおいしい食べ方
はじめに
牛肉の「すね肉」と聞くと、「かたい肉」というイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。
実際、すね肉は牛のふくらはぎにあたる部分で、日常的によく動かす筋肉が集まっているため、筋が多く、肉質はかためです。
公益財団法人日本食肉消費総合センターでも、すねは「筋が多く、肉質はかたい」部位と紹介されています。
では、なぜそんなすね肉が料理では人気なのでしょうか。
その理由は、じっくり加熱することで、かたさが魅力に変わるところにあります。
すね肉はなぜかたい?

すね肉は、牛が歩いたり立ったりするときによく使う部分です。
そのため筋肉が発達しており、筋膜や腱などの結合組織も多く含まれています。特にコラーゲンが多いことが、すね肉の食感に大きく関係しています。
焼いただけでは、このコラーゲンが十分に柔らかくならないため、ステーキのように短時間で焼く料理では、どうしてもかたさを感じやすくなります。
つまり、すね肉は「かたいからおいしくない」のではなく、調理方法によっておいしさを引き出すタイプの肉なのです。
煮込むとホロホロ食感に!

すね肉の大きな魅力は、時間をかけて加熱したときにあります。
肉に含まれるコラーゲンは、加熱によって徐々に変化します。一般的に75~85℃ほどで軟化が始まり、ゼラチン化することで肉の結合組織が弱くなっていきます。すると、最初はかたかったすね肉が、ほぐれるような柔らかい食感へ変化していきます。
この「最初はかたいのに、じっくり煮込むと柔らかくなる」という変化こそ、すね肉のおもしろいところ。
さらに、すね肉は脂肪が比較的少なく、赤身が中心。そのため脂っこさよりも、肉そのものの濃厚な旨味やコクを楽しみやすい部位です。
すね肉といえばビーフシチュー!

すね肉を使った料理として、まず思い浮かぶのがビーフシチューです。
大きめにカットしたすね肉をじっくり煮込めば、肉がホロホロと崩れるような食感に。さらに、肉から出る旨味やゼラチン質がソースにも溶け込み、濃厚な味わいを楽しめます。
市販のルーを使ったビーフシチューでも、すね肉を選ぶだけで「いつものシチュー」とは少し違った本格的な雰囲気になります。
カレーにもおすすめ

すね肉はカレーとの相性も抜群です。
カレーは煮込み時間を取りやすいため、すね肉の特徴を活かしやすい料理のひとつ。
最初はしっかりした食感だった肉が、煮込むうちに柔らかくなり、スプーンでもほぐしやすい状態になっていきます。
また、すね肉から出る肉の旨味がカレー全体に加わるため、コクのある味わいに仕上げやすいのもポイントです。
ポトフやスープにもぴったり
すね肉は、シチューやカレーだけではありません。
野菜と一緒に煮込むポトフや、スープの材料として使うのもおすすめです。
すね肉は煮込みによって旨味が出やすく、スープやだしを取る用途にも適しています。
特に、にんじん、玉ねぎ、じゃがいもなどの野菜と合わせると、肉の旨味がスープに溶け出し、具材までおいしく楽しめます。
圧力鍋を使えば時間短縮も
「すね肉を食べたいけれど、長時間煮込むのはちょっと大変……」という場合は、圧力鍋を使う方法もあります。
圧力鍋を使うことで、通常より短い時間で肉を柔らかくしやすくなります。
ただし、料理によって適した加熱時間は異なるため、最初はレシピを参考にしながら調整すると安心です。
すね肉は「かたい」からこそ面白い

すね肉は、サーロインやヒレのような「焼くだ
けで柔らかい肉」とは違います。
生の状態では筋が多く、かため。
でも、時間をかけてじっくり火を入れると、コラーゲンが変化して柔らかくなり、肉の旨味やコクを存分に楽しめるようになります。
つまり、すね肉のおいしさは**「かたさをなくす」ことではなく、「かたさを柔らかさに変える」こと**にあるのかもしれません。
ビーフシチュー、カレー、ポトフ、スープなど、煮込み料理を作るときには、ぜひ一度すね肉を選んでみてはいかがでしょうか。
普段は少し地味に見えるすね肉ですが、じっくり時間をかけることで、驚くほど存在感のある一皿に変わってくれます。

