全国の有名温泉を巡って気づいた、三朝温泉のちょっと特別なところ

はじめに

 

有名温泉って、それぞれちゃんとがあります。

草津温泉なら、あの強い酸性の湯と湯畑の景色。

有馬温泉なら、金泉と銀泉というわかりやすい個性。

別府温泉なら、圧倒的な湧出量と、町全体が温泉でできているようなスケール感。

そうやって全国の有名温泉を見ていくと、三朝温泉の良さは少し違う場所にあるな、と感じます。

 

わかりやすく派手、ではない。

でも、あとからじわっと効いてくる。

三朝温泉は、そんな温泉地です。

 

有名温泉には、それぞれひと目でわかる強さがある

 

温泉好きではなくても、草津温泉や有馬温泉、別府温泉の名前は知っている方が多いと思います。

草津温泉は、日本有数の強い酸性泉で、湯畑の景色も含めて「草津らしさ」がかなりはっきりしています。

自然湧出量は日本一級で、源泉かけ流しを楽しめるのも大きな魅力です。

 

有馬温泉は、有名な金泉と銀泉がある時点でかなり印象が強い温泉地です。

褐色の金泉、無色透明の銀泉という対比がわかりやすく、昔から特別な湯として語られてきた理由もよくわかります。

 

別府温泉はもう、町のスケールそのものが温泉です。

源泉数・湧出量ともに日本一級で、温泉地というより温泉文化圏みたいな迫力があります。

 

こういう有名温泉は、初めて行っても「なるほど、これがこの温泉のすごさか」とすぐ伝わります。

言ってしまえば、一目でわかる強さがあるんですよね。

 

 

三朝温泉の特別さは、少しわかりにくいところにある

 

その点、三朝温泉は少し違います。

もちろん三朝温泉にも、はっきりした個性はあります。

それが、世界屈指とも案内されるラドン泉であること。

 

三朝温泉観光協会でも「世界屈指のラドン泉」として紹介されていて、現代湯治の町としての打ち出しもかなり強いです。

でも、草津の湯畑みたいな視覚的な派手さや、別府のような圧倒的スケール感とは少し違うんです。

三朝温泉の良さは、見た瞬間にドンと来るというより、知るほどに深くなるタイプです。

 

「ラドン泉です」と聞いても、最初は少し渋く感じるかもしれません。

でも、三朝温泉は昔から湯治場として栄えてきて、今も現代湯治という形でその文化を残しています。

 

観光協会でも23日の現代湯治コースを案内していて、

「三たび朝を迎えると元気になる」という言い伝えも、そういう歴史の流れの中で残ってきました。

 

つまり三朝温泉は、ただ入って気持ちいい温泉、というだけではなく、

少し時間をかけて付き合う温泉なんです。

 

三朝温泉は「観光地」より少しだけ「湯治場」に近い

 

三朝温泉のちょっと特別なところは、ここかもしれません。

多くの有名温泉地が観光として楽しむ場所でもあるのに対して、三朝温泉は今もどこか湯治場の空気を持っています。

 

もちろん観光で行っても十分楽しいのですが、町の説明そのものに「現代湯治」という言葉が自然に出てくるあたりが、やっぱり少し独特です。

温泉街の雰囲気も、どちらかというと落ち着いています。

 

大きく見せる感じではなく、じっくり滞在して、ゆっくり湯に入って、少し呼吸を整えるような過ごし方が似合う。

この感覚は、別府や草津とはまた違います。

華やかさやわかりやすさなら、ほかの有名温泉にも強い場所はたくさんあります。

でも三朝温泉には、身体を休めに行く理由がちゃんと似合うんですよね。

 

 

「飲む・吸う・浸かる」の三朝らしさ

 

三朝温泉を語るとき、もうひとつ外せないのが、浸かるだけじゃない温泉だということです。

観光協会では、三朝温泉の楽しみ方として

「浸かってよし、飲んでよし、吸ってよし」と紹介しています。

この言い方、かなり三朝らしいと思います。

 

温泉といえば、普通は「入る」が主役です。

でも三朝温泉は、飲泉場があり、ラドン熱気浴のような楽しみ方もあり、温泉の成分ともう少し深く付き合う発想があります。

ここが、三朝温泉のちょっと特別なところです。

 

観光名所として映えるかどうかより、温泉そのものとの向き合い方が少し深い

これは、全国の有名温泉を見比べたときにじわっと効いてくる違いだと思います。

 

三朝温泉は「静かに好きになる」温泉かもしれない

 

有名温泉の中には、行った瞬間にテンションが上がる場所があります。

草津の湯畑もそうですし、別府の町全体から立ち上る温泉感もそうです。

 

三朝温泉は、そのタイプとは少し違います。

最初からド派手に感動させるというより、

泊まって、歩いて、何度か湯に入って、町の空気に慣れてきた頃に

「ああ、ここいいな」と思う温泉地です。

 

しかもそのいいなは、景色だけじゃないんです。

町のサイズ感だったり、温泉の歴史だったり、ラドン泉という個性だったり、湯治場として続いてきた背景だったり。

そういうものが少しずつ重なって、印象になっていく。

だから三朝温泉は、静かに好きになる温泉なのかもしれません。

 

 

まとめ

 

全国の有名温泉には、それぞれちゃんと強みがあります。

草津には強酸性の湯と湯畑の迫力があり、

有馬には金泉・銀泉というわかりやすい個性があり、

別府には日本一級のスケールがあります。

 

その中で三朝温泉のちょっと特別なところは、

派手さよりも、深さで印象に残ることだと思います。

 

世界屈指と案内されるラドン泉であること。

湯治場としての歴史が今も残っていること。

浸かるだけでなく、飲む・吸うという独特の温泉文化があること。

そして、温泉地全体に落ち着いた空気があること。

 

有名温泉をいろいろ知ったあとに振り返ると、三朝温泉って、やっぱりちょっと特別です。

大声で主張しないのに、ちゃんと記憶に残る。

そういう温泉地は、案外少ない気がします。